「もうちょっと、わがままでもいいんじゃないか?」

わがまま?

わがままになんてなったら

いろんな人を傷つけちゃう…

「なんで?」

あたしは聞き返した。

「恋なんだから、自分が思うようにやって良いんだよ。誰かに気を使ったりあきらめたり。そんなんじゃなくて、つらくても頑張るのが成功への道なんじゃないのか?」

あきらめないことが

成功への道…

「あきらめないからって全ていい結果になるとは分からないけど、でもなにかしらいいことがあるはずだって。」

チャイムが鳴った。

大友は思い出したように教室の外に出ようとする。

「大友!」

あたしは呼んだ。

「ん?」

大友は振り返る。

「なんでそんなに…あたしに…。」