帰りは9時が過ぎていた。

「ごめん…長居しちゃって」

「いや…俺、幸せだったし。」

少し頬を赤くして笑う裕也。

見ていたくなかった…

心が罪悪感いっぱいで…

顔を見たら泣き出しそうだった。

「じゃあ…ね」

あたしはそれだけ言って駆け出した。

早く…帰りたい。

ここらへん…絵美んち近かったはず…

迷わないといいな。

あたしはそのまま走り続けた。

裕也…

ごめんね。

まだ…忘れてない。

そんな簡単に忘れられない。