涙が視界をぼやけさせる。

前…見えない。

この辺座ってようかな…

前に進もうとしたときに誰かにぶつかった。

「いって~」

「あ、すいません!」

「って…ミホ!」

この声…

「裕也…」

あたしの目からは涙がこぼれ出た。

裕也はただそれを抱きしめて頭をなでていてくれた。

「話したくないなら…話さなくていい。」

翔が絡んでいるってことはきっと分かっただろう。

「俺んち、今誰もいないから…泣き止むまでいるぞ。」

あたしは何も言わずに裕也の自転車の後ろに乗った。