あたし達が隠れた柱からは試合の場所がよく見えた。

「ここ…めっちゃ場所いいじゃん。」

「そうだな。」

あれ…

もう30分前なのに誰か一人足りない…

「友春がいないな…」

たしかにどこを見回しても友春くんの姿はない。

「あと30分しかないじゃん…」

今、友春くんがいなかったら…

うちの学校どうにもできないって…

「俺ん家と友春ん家近いんだ。俺行ってくる。」

「え!?ちょ…裕也!」

「じゃあな!」

そのまま裕也は走って行ってしまった。

あたし…どうすりゃいいんだよ…。