「やだ…」

だめだ…

こんな翔だめ…

「なんで…こんなになっちゃったの?」

「翔じゃない…もっと優しいもん。」

あんな…

…なんで

「好きじゃないのに…そんなことしないで……」

涙があふれた。

翔はあたしを抱きしめた。

「好きだ…。ミホが。」

そんな

ちがうよ…

「今は…やだよ。」

気持ちの整理ができてない

翔はあたしを壁に押し込めてまたキスをした。

ちがう

まだ…ちがう

「やめて。」

翔はそっと手を離した。

「裕也たちが来ちゃう」

あたしは涙を拭った。

「返事は?」

「え?」

「さっき言ったじゃん。」

「保留…」

「そっか。」

大空の花はあたし達の暗い気持ちなど差し置いて明るく輝いていた。