何も知らないくせに

あたしがどれだけ涙を流したかも

どれだけ考えたのかも

何も知らないくせに。

絵美は…いいじゃん

あたしは彼女にすらなれなかった。

一年半ずっと好きだったのに

彼女にだってなれなかった

「あたしのほうがずっと好きだった…」

あたしは言った。

絵美の言い方が本当に気に入らなかった。

翔を好きって気持ちは

同じくらいかもしれない。

でも…

それに溺れすぎて

絵美、あんた今最低なやつになってるよ。

「そんなのしらない…翔の彼女はあたしだもん」

絵美は言う。

わかってる

わかってるよ。

言わなくたって知ってる。