「俺、知ってたんだ。翔がずっとミホの事好きだったこと。」
裕也が言った。
裕也はしってた…
「俺もミホのこと好きだったからあの冬の日俺は翔の気持ちを確かめようって翔に聞いたんだ…」
裕也も翔の気持ちを
翔は裕也の気持ちを…
気づいてたって事?
「でも翔は嘘をついた。」
そこから裕也は黙ってしまった。
「ミホ、裕也が言いたいこと分かるか?」
大友が言った。
…そんなことわからないよ
全部わからない。
「翔は…言おうと思えばいつだってお前に気持ちを伝えられた。」
「でも、それをしなかったのは…なんでか分かるか?」
大友が真剣な顔であたしを見る。
あたしは目をそらしてしまう。
…わかるわけないじゃん
あたしは翔じゃないもん。
忘れるためとか
まだ好きだったとか
絵美がいるのに…
言わないで。
そんなこと言うあんたの気持ちなんて
これっぽっちも分からないよ。