“前は悪かった!俺、男とか思ってないから!”

殴り書きだったけど翔の字だった。

もう、気まずいのはやめようってことか…

まさか翔から言ってくるとは思わなかった。

嬉しかった。

あたしだけだったらきっと

ずっとこのままだったよ。

翔から言ってくれた…

めっちゃ嬉しい。

だって翔はあたしとこのままじゃ嫌だって思ってくれたんでしょ?

“あたしこそ、ごめん。”

そう書いて翔の机に放り込んだ。

翔はそれを見て笑った。

彼の笑顔を見たのは久しぶりだった。

あたしも笑った。

授業中なんてのは気にせずに

そのあと数10分間か、ただ1人でニコニコ笑っていた。

あたしたちはその後もずっと手紙交換を繰り返していた。

歴史の授業中手紙は何通にもなっていった。