好きだった子って…?

「誰!?」

「やだよ。」

翔がそっぽを向く。

「教えてよ~」

「この前、言ったじゃん。」

この前…って

あの、土手の日?

「土手の日のこと…?」

「そうだよ。俺は…」

そういって翔は口をつぐんでしまった。

何を言いたいの…?

「ずっと、お前のこと好きだった。」

そのすきなこって…

あたし…だったんだ。

「あたしも好きだって言ったんだよね。」

だけど…

「あぁ、裕也も好きだから今さら言えないって俺言ったよな。」

翔は笑う。

あたしも少し笑った。