集中力を高めるために、音楽を聴く。
イヤホンを耳に入れて、問題集やら参考書やらを机に広げて、勉強を始める…。
始まって5分くらいは集中できたものの、しばたく経つと、集中力が切れ始めた。
同じ空間…わずか1・2Mのところにいる奈々が、気になって仕方ない。
堪え切れなくなって、シャーペンを転がした。
そして、イスの背にもたれかかる。
「………奈々ー………」
そっと呟いてみる。
”姉貴”が定着した今、”奈々”と口にすることは滅多になかった。
昔を思い出すようで、胸が締め付けられる。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…