風呂に入って、部屋に行くと、奈々はすでにベッドに横になっていた。
その可愛い寝顔に、思わず胸が高鳴る――。
でも、すぐに自分にブレーキをかけた。
ダメだ。
俺は由実夏の彼氏だ。
なにがなんでも由実夏を守らなくちゃいけない。
由実夏を傷つけてはいけない…。
俺はいままで、ずっとこうして自分を抑えてきた。
奈々を”姉貴”とわざわざ呼んで、自分の姉であることを自分に知らしめようとした。
それが――どれ程 奈々を傷つけたか知らないで。
でも、バカな俺にはそれしかわからなかったんだ。
自分がどうしたらいいのか…。