”姉貴”
もうそろそろ慣れたけどね―…。
”奈々”と呼ばれた14年間。あの日々が懐かしくなる。
「わかった。
今日のメニューはなんですか?シェフ」
「冷蔵庫にある残り物でなんか作ろうと思ってたけど…。
ご注文はありますか?お姉様」
「そうね~…オムライス!」
「姉貴はいっつもそれだよなあ~…。
ちっさい頃から、母さんと親父が帰ってこない日は俺が夕飯作って。
姉貴にリクエスト聞くと、ぜってえオムライス。
んで、デザートは.........」
「「フルーツジュース」」
彼方特製のフルーツジュースだ。
2人で声をハモらせる。
そして、あはは…と笑い合った。
昔に戻ったみたいだった。