チャイムと同時に
俺は教室を飛び出した。



奈々がいる教室にいたくなかった。





向かった先は――――屋上。

いつしかみんなで笑いながらお弁当を食べたこの場所に来るのは、
少し苦しかったけれど、ここしか行く場所が思い当らなかった。




ガチャ…とドアを開けると、開放された空。
窮屈な教室の窓から見る、小さな枠の中の空とは違う。