板書をノートに移し終えると、
やっぱり姉貴を見ずにいられなかった。



なんでかわかんねえけど、
どうしても目がいってしまう。



こんな席、
嫌だ――――――。




同じ空間に奈々がいることだけで、もうダメなんだよ……。
辛いんだ。
苦しいんだ。




一生懸命板書を写して、
そのまま視線を利翔の方へやる。

長くてサラサラな髪を耳にかけて、
また板書を写す。

先生の話を聞きながらも、
視線を窓のほうへ―――――。




そんなちょっとのしぐさも、
全部、視界に入ってくる。

ダメだよ。嫌だよ。辛いよ。苦しいよ。