黒板に書かれた 席と数字。 その数字の上に、 人を思い浮かべて重ねる。 ふと隣を見る。 なぜかやり切れない思いになって、溜息を吐いた。 すると伊野はフッと笑って、 「悪かったわね、奈々じゃなくて」 と言った。 姉貴じゃなくて――悪かった? 俺、隣が姉貴じゃないから… 溜息を吐いたの?