それ以降
彼方は私を


『姉貴』と呼ぶようになった。



彼方だけずるいよ
私は………『弟』なんて、呼べないのに





彼方は……
いままで私と居た時間を
由実夏と過ごすようになった



私は
利翔とつき合うことになった
彼方を忘れられると思った




私ばっかり 拒絶されてるみたいに思って
たびたび
ひとり 泣いてること

きっと彼方は知らない…



悲しくて 切なくて
でも 想いは届かなくて―…

彼方は
由実夏を大切に大切にした


その姿に
もう 誰も文句を言わなかった


はじめの方は 
由実夏にいろいろとしていた
水崎さんたちも 認めるほど


彼方と由実夏は お似合いで…



私なんかが かなうはずない





ああ どうして?

どうしてこんなに苦しいの?

どうしてこんなに悲しいの?

どうしてこんなに涙が流れるの?

どうしてこんなに切ないの?


どうしてこんなに…彼方が好きなの?




私ははやく もっとはやく
利翔を好きになりたい

じゃないと 心が 涙腺が
壊れてしまう…




そんな想いを感じながらも
”受験”がせまり
勉強に集中すれば 
辛さは乗り切れた



そして
季節は巡る―――