カチャ…と、部屋のドアが開く。 「……奈々?」 寝たフリがバレないか、すごくドキドキする。 胸の音が聞こえてるんじゃないか?って思うほど…。 「…寝てんの…?」 小さく、彼方が言う。 その聞き慣れた低い声に、泣きたくなる。 独り占めしたい。 奪ってしまいたい。 いっそ、この部屋に鍵を掛けてほしかった…。 永遠に、2人でいられるように―…。