気付いたよ。 なんで、泣くのか。 なんで、涙がこぼれるのか。 彼方が―、弟が、ただ姉の元を去って行くのがさみしいからなんかじゃないよ。 そうだよ。 きっと、生まれたときから、この気持ちはわたしの胸に小さく宿っていたんだね。 でも、ありえない、って―。 そんなはずないよ、って―――。 勝手に思い込んで、思いこみ過ぎて、ずっとそんな暗示にかかっていたんだ。 そうだよ。 わたしの気持は、決まってたんだね――?