「グスッ…グスッ……」 帰り道。 止まらない涙をこぼしながら、いつもの通りを歩いて行く。 隣には、彼方じゃなくて利翔がいる―。 教室で密かに泣いていたあたしを、由香から引き取って、 「一緒に帰ろ。彼方に見せつけてやろーぜ!笑」 と笑わせてくれた。 ニカッと笑った顔が可愛くて、その優しさが心に沁みた。 だから、「ありがとう」と言って一緒に帰っているわけだけど―…。 涙が止まらない。