無言のまま


「どっち?」

「あっち」

「そう…」

「どっち?」

「こっち」

を繰り返して
あたしん家に着いた。

「ここ」

「そう。じゃあな」
「えっ?あ、ありがとう」


「いいよ、気にすんな」



それだけ言って
大杉くんは
サッサと帰って行った。