「梨恵・・・?」


熊君の手が私に伸びてきた。


私の肩が、ビクっと震える。



(しまった・・・)



と思った。



しかし、もう頭が身体に追いつかない。


本能に従うまま、反射的に私はこの状況に恐怖だけを感じていた。