まだ明るい空を見上げれば、飛行機雲がクロスを描いていた。

遠くに入道雲があり、そこに向かって一筋、それに垂直して一筋。


グラウンドからは部活動の声が聞こえる。

野球のボールを狙い打つ金属バッドが、気持ちの良い音を奏でていた。



汗が、こめかみを伝い、首筋を流れてゆく。


温いだけの風が吹く屋上には私ひとり。

フェンスに両手をかけ、じっと校舎裏の景色を見ていた。



校舎の裏は小さな山。

リスがいるらしいけれど、私はまだ見たことがなかったな。


下に視線を移せば、ただの土。

植え込みも何もない、ここ数日雨も降っていないから地面も柔らかくない。