だったら――何も違わない。

あんなにみんなに良くされても、日下さんが励ましてくれても、大庭君に怒られても、青野君の夢を聞いても。


変われない自分なんて。





違う、違う、違う。


どうして私はそういう風に考えるのだろう。

この教室に来てから一体私は何を知ったのだろう。



必死に青い染みを消そうと白い絵の具を塗りたくる。


だけどその青は、どうやっても消せなくて、消えなくて。



ずっと見ていた霧崎君の瞳から。

涙が一筋だけ零れるのを。



私はただ、黙って見つめていた。