それこそ淀みなく、真っ直ぐに。

まるでそれが自分の夢への宣言だと言うように、青野君は語ってゆく。



だから、こそ。


だからこそ、大庭君の瞳もしっかりとした輝きをまとってゆけるんだと思う。

恩着せがましくないから、青野君は実際に頑張っているから。


「なんだか……良い友達になれそうだね」

そんなふたりを見て、不意に感情が漏れてしまった。

一瞬自分の口から出た言葉だと思えなくて、思考が止まってしまう。



だけど。


「そうか……そうだな」

最初にそう言って笑ってくれたのは大庭君だった。


それは今までに見たことがないぐらい、柔らかい……ほっと一息ついたような笑みで。


「それを言ったら、あたしだって弥八子と仲良くしたーい!」

続けて聞こえてきた日下さんの声が、さらに私を温かい気持ちで包んでくれる。


「お前は少し図々しんだよ」

「何、なんか言った皐次郎!」


そうやってふざけ合いながら、でも笑いあって。

私たち以外に誰もいない教室に、いつもの放課後の雰囲気が戻ってきたよう。