“そういう繋がり”
それがなんだろうと考えてみて、さっきの大庭君の言葉を思い出す。
私は霧崎君に憧れていて、その霧崎君は日下さんを羨ましいと言った。
つまり“そういう連鎖”でここにいるメンバーが決まったのではないかと考えたのだろうか。
ところがその日下さんは私だと答えた。
そこで連鎖は完成してしまい、その場合大庭君と青野君の存在がわからなくなる。
なるほど、そういうことに気づけるってすごいな、そう思って大庭君を見ると目が合ってしまった。
だけど彼の瞳は特に私に何か言いたいことがある様子でもなく、かといって無でもなく。
ちょっとびっくりしたものの、すぐに逸らしたくなるわけではなかった。
ただ大庭君は私を見て何か思いついたのか、首を青野君の方へと動かした。
「青野、お前は何かないのか」
そう聞きながら。
「えっ、オレ?」
突如話を振られた青野君は持っていたオレンジジュースのペットボトルを落としそうになり、慌ててキャッチしている。
その様子を日下さんが笑い、青野君の頬は赤く染まった。