確かに転校は見る人によっては“逃げ”なのかもしれない。
でも彼女はそれを機に努力して自分を変えて、そして戻ってきたんだ。
そして戻ってきた彼女を見て、青野君はどう思ったのだろう。
今の仲の良さを見る限り、彼も彼なりに反省をし乗り越えたんじゃないだろうか。
ちょっと離れた場所でおにぎりを食べている青野君を見ていたら、不意に目の前に白いものが現れた。
「そんなわけで、あたしから弥八子にプレゼント」
びっくりしつつ焦点を合わせると、それはウサギのストラップだった。
「え……私に?」
「はい」と言われて下に降りてきたストラップを両手で受け取る。
小さな、首に赤いリボンをつけたウサギ。
「うん、あたしがずっとお守りにしてたからボロボロなんだけど。ウサギってね、坂道を登るのが得意なんだって」
ボロボロ、といった感じはしないけれど確かに長い間大事にされてきた雰囲気はあった。
たぶん元はキーホルダーか何かだったのを、ストラップにしたのだろうか。
「それにさ、寂しいと死んじゃうとか言われてるけど、意外と凶暴なんだよ。追い詰められたら攻撃だってするんだよ」
でも彼女はそれを機に努力して自分を変えて、そして戻ってきたんだ。
そして戻ってきた彼女を見て、青野君はどう思ったのだろう。
今の仲の良さを見る限り、彼も彼なりに反省をし乗り越えたんじゃないだろうか。
ちょっと離れた場所でおにぎりを食べている青野君を見ていたら、不意に目の前に白いものが現れた。
「そんなわけで、あたしから弥八子にプレゼント」
びっくりしつつ焦点を合わせると、それはウサギのストラップだった。
「え……私に?」
「はい」と言われて下に降りてきたストラップを両手で受け取る。
小さな、首に赤いリボンをつけたウサギ。
「うん、あたしがずっとお守りにしてたからボロボロなんだけど。ウサギってね、坂道を登るのが得意なんだって」
ボロボロ、といった感じはしないけれど確かに長い間大事にされてきた雰囲気はあった。
たぶん元はキーホルダーか何かだったのを、ストラップにしたのだろうか。
「それにさ、寂しいと死んじゃうとか言われてるけど、意外と凶暴なんだよ。追い詰められたら攻撃だってするんだよ」