私にはさっぱりわからない。

だって大庭君が言ったように、みんなとはクラスメイトなのだ。

特に親しい話をしてきたわけでもなく、互いの家庭の事情を知っているわけでもなく。



「そうだ」


誰がどんなことを考えているのか、知らない。





教室に、再び張り詰めた空気が漂い始める。

少しの息苦しさと、消失感を感じながら視線を下げる。



きえない飛行機雲の浮かぶ空など、もう見たくないと思った。