いにしえの人いわずや、禍福はあざなう縄のごとし。 人間万事往くとして、塞翁が馬ならぬはなし。 そは福の倚る所、はた禍の伏する所、 彼にあれば此にあり、とは思えどもかねてより、 誰かよくその極を知らん。 曲亭馬琴『南総里見八犬伝』