「あ、いや、別に…」



「競技が始まるよ、並ぼう」



「すみません、抱き上げたままで…」



そう言って、樹希君は私をゆっくりとおろした。



「ありがとう、爽君!」



「あ、いえ…」



「魅羽、行くぞ」



零希君が私の手を引っ張った。



「行きましょう、魅羽さん!」



反対の手を、優真君が握った。