「おい」



上からの声。



この声は、壱耶だ!



「壱耶!学ランどう…」



上を見上げると、いつもとは全く違う壱耶が立っていた。



黒くて長い学ラン。



ピンでとめられた前髪。



なんか、いつもと雰囲気が違う…



「どうだ?魅羽」



「似合ってるよ!」



私がそう言うと、壱耶は私から顔を背けた。



「壱耶?」



「何もない、気にすんな」



壱耶は私に背中を向けたまま言った。