階段の上から一人降りてきた


「お兄ちゃん…」


長男の勇太だった


ふと肩にまわっていた腕の温もりがなくなり、兄が抱きしめてくれた


安心して意識が朦朧する中、兄がすまないと言った声が聞こえると、先ほどまで包まれていたプールオムの香りが遠のいていった


お礼を言いたかったが、とにかく早くこの場から逃げたかった