一弥は立ち上がり、窓際の奥の机に向かった


本棚の間を抜けようとした時


「ありがとう」


小さな声が聞こえて立ち止まった


「えっ」


その声は本棚の反対側で聞こえた


立ち去ろうとしていた彼女を引き止めた