「彩香、今日水泳部のやつらとカラオケ行くって言ってたぞ?」


「うん、それにわたしも誘われて……」


「なんでお前が?お前、バスケ部のマネージャーじゃん。関係ないだろ?」


「……」


「……斎藤か?」


大野の言葉に、心臓と一緒にわたしの体がピクンと揺れた。


同時に、掴まれた腕の力が少し強くなる。


「お前、斎藤の告白、断ったんじゃねえの?」


大野の真剣な声。


黙っているわたしの耳に、大野のため息が届いた。


「斎藤さ、本気でお前のこと好きなんだよ。お前がその気もないのに一緒にカラオケ行ったら……本気にするぞ?気をもたせることすんなよ」