「あちー」
そう言ってTシャツの袖を肩までまくり上げている大野。
部活の練習の時に着るそのTシャツは汗びっしょりで。
「今、休憩中?」
ふわりと風に乗って感じた大野の汗の匂いやそのたくましい腕に、わたしはどうしたらいいかわからなくなって、目をそらしながら聞いた。
「いや、抜けてきた」
「なんで?」
「お前を探しに来た」
「……なんで?」
「……行くぞ」
大野がわたしの腕を掴む。
「お前、キャプテンのオレに見つかってサボれるとでも思ってんの?」
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