何も言わずわたしのカバンを手に持って


教室のドアを開けた大野はわたしが教室から出るのを待って、その扉を閉めた。


「行くぞ」


そう言って先を歩く大野についていく。


後ろから見た大野の耳たぶは少し赤くて


『幸せ』


そう思ったんだ。