「もしかして……」


「うん、見ちゃった。うまくいってるんだよね?彩香と斎藤くん」


真っ赤になって頷く彩香に、わたしは言った。


「大野がケガしたあの日、彩香を探していたら斎藤くんとキスしてるんだもん。びっくりしちゃったよ」


「だって美咲、あの時電話で『斎藤くんと付き合いたいな』って言ったじゃん……だからわたし……」


「だって、大野と付き合ってるのに他の人とキスしてると思ったんだもん。もう別れていたなんて知らなかったし……」


わたしと彩香は顔を見合わせ、大きな声で笑った。