「ホントはね……真治と付き合っててわたし、すごく自分が嫌だった」


「どうして？」


「んー……自分が傷つくより人を傷つける方が辛いってわかったから」


「……そっか」


「これって、真治と付き合ってなければわからなかったよ」


「うん……」


「『名前だけの彼女』の自分が辛くて。
傷ついて傷ついて……でも離したくなくて。そんな自分が嫌で嫌で仕方なかった」


「……うん」


「そんなわたしを真治はすごく大切にしてくれたんだ。
『別れよう』って言ってくれたのも真治の優しさなんだよね」





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