「美咲、今までごめんね……」
水着を大切そうに持って歩く彩香がわたしに言った。
「何のこと?」
わたしは言った。
「彩香は悪くないよ。何もかも勇気がなかったわたしが悪いから」
「でも……」
「……わたしね、自分が傷つくのがただ怖かったんだ」
わたしは歩く足元を見ながら言った。
「彩香が羨ましい……」
彩香はわたしを覗き込んで、頬を膨らませて言った。
「わたしこそ、美咲が羨ましい!」
「彩香?」
「美咲、傷つくことを怖がってたら何も出来ないよ?」
・
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…