「美咲、今までごめんね……」


水着を大切そうに持って歩く彩香がわたしに言った。


「何のこと?」


わたしは言った。


「彩香は悪くないよ。何もかも勇気がなかったわたしが悪いから」


「でも……」


「……わたしね、自分が傷つくのがただ怖かったんだ」


わたしは歩く足元を見ながら言った。


「彩香が羨ましい……」


彩香はわたしを覗き込んで、頬を膨らませて言った。


「わたしこそ、美咲が羨ましい!」


「彩香?」


「美咲、傷つくことを怖がってたら何も出来ないよ?」