彩香……
わたしの気持ち
知っていたんた……
薄いカーテンの中から彩香の着替える音がした。
小さく彩香の泣いている声が聞こえたような気がしたのは、気のせい?
カーテンの中の彩香にかける言葉もなく立ちすくむわたしはあの日から変われないサナギのままで。
「わたし、『いい子』なんかじゃない……」
一人、そっと呟いた。
「どう?」
カーテンを開けて白い水着を着た彩香は、まるで真っ白なチョウチョだ。
悲しい嘘も
切ない迷いも
足元に脱ぎ捨てて……
艶やかに
彩香は笑った
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