「美咲……あのね?」


「うん?」


「わたしね、実は真治と別れたんだ」


バサリとわたしの手から持っていた水着が落ちた。


こちらを見た店員さんの視線を避け、わたしは慌てて落とした水着を拾う。


「別れた……って、いつ……」


水着を触れる手が震えていて、自分でも驚くほど動揺しているのがわかった。


「3週間くらい前かな?」


鏡を見ながら彩香は答えた。


「3週間前……」


呟きながら、大野と初めてキスしたあの日も3週間前だったことに気付く。


「どうして……」