「大野もさ、無理しないで部活なんて行かなければいいじゃん?」


大野の手首に巻かれた包帯。



沸き上がる罪悪感に、次から次へと言葉が口をついて出る。


「最後の試合前の……こんな時にケガなんかして……周りに迷惑かけるくらいなら部活なんて休んだほうがマシだよ?」



「……」


自分がヒドイことを言っているのはわかっていた。


「見ていられないよ本当に……」



わたしの視線に気付いた大野は右手首をわたしの目の前に突き出しながら言った。


「お前に心配なんてされたくないんだよ」