「真治……美咲にも考えがあって決めたんだから……」
「悪ぃ彩香、少し黙っててくれないか?」
「でも」
「悪い」
彩香の言葉に耳を貸そうともしない大野。
大野はわたしを真っ直ぐ見据える。
彩香はひとつ溜め息をついて、わたしに言った。
「美咲……行けば?」
「もう行かないって、決めたの」
「勝手に決めてんじゃねえよ」
「自分のことは自分で決める」
大野の目を見ていられなくて視線をずらしたその時目に飛び込む、大野の白い包帯。
わたしの視線がそこで止まる。
・
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…