熱いシャワーを浴びた後、洗面台に手をついて、わたしは自分を見つめていた。


嘘つき……


嘘つき……


意気地無し……


そう自分自身に呟いた時、子供のように泣き出したい衝動が沸き上がった。


髪の毛から滴る雫に俯けば、紅い色のリップクリームが目に入った。


紅い色に手を伸ばして、わたしは嘘つきな唇を硬く硬く閉じた。