わたしは必死に言い訳するように一気にまくし立て、最後に静かに言った。
「……わたしがいないほうが、全部、うまく行くよ」
「でも、真治……怒りそうじゃない?あんなに『美咲に部活休ませるな』って言ってたのに……」
「無視無視!だってもう来月の引退試合だけだしさ、それに……」
「……それに?」
「ほら、最近暑いしさ、早くプール行きたいし。彩香と斎藤くんと約束したプール?行こうよ!大野なんてほっといてさ」
言い訳のつもりで何気なく言った『斎藤くん』の名前に、受話器の向こうで彩香が反応した。
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