「美咲?」


「大野をちゃんと見てるのは『彼女』である彩香の役目でしょ?わたしにはムリー」


明るい口調でそう言って、わたしは声を立てて笑った。


わたしにつられるように彩香も笑う。


わたしの笑い声がだんだん小さくなり、そして、わたしは言った。


「部活……わたし、もう出るつもりはないから」


「え?どうして!?」


「受験勉強、大変でさ」


「でも……試合あるんでしょ?」


「後輩のマネージャー、あ、桃ちゃんって言うんだけどね?しっかりしていてイイ子でさ、わたしなんかいなくても大丈夫……てゆーか、」