目の前の光景が信じられずわたしは後ずさり、そのままその場所から逃げ去った。


「今のはなに?」


「今のは何かの間違い?」


早鐘のように打ち付ける心臓を落ち着かせようと、自分に言いきかす。


彩香……


お願い……


お願い……


大野が今、大変なの……


助けて


大野を


助けて……


もう大野と彩香の邪魔はしないから……


お願い


大野を助けて!