プールから離れて下駄箱に向かいながら、わたしは肩にかけた通学用バックから携帯電話を取り出した。


携帯電話を開き、彩香の名前をスクロールしていた時、彩香の姿を見つけた。


校庭と渡り廊下の間の花壇の植え込みの陰に座る彩香の後ろ姿。


「彩……」


声をかけようとして、ハッとした。


「誰かと一緒……?」


もう一人分の人影を見つけたわたしはその仲の良さそうな二つの後ろ姿を黙って見つめた。