わたしを見下ろす大野。
そんな大野をわたしは見詰めた。
「『念のため』病院行けって言われただけだよ」
笑いもせずにそう言う大野の口調はとても優しくて。
わたしのせい……そうやっていくら自分を責めてみても。
『ごめんね』なんて言葉を何回繰り返してみても。
そんなのはただの自己満足で。
何も言えないまま大野の右手首に視線を移したわたしの腕の中から、大野はその右手で自分のカバンと着替えを持ち上げた。
「何ともねえから、心配すんな」
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