溜め息がまたひとつ、空に消えていく。


そんな自分すら消したくて俯いた。






部室の扉を開けて、綺麗になった部屋を見渡す。


「桃ちゃん、綺麗に片付けてくれたんだ」


そう呟いて、わたしは部屋の片隅に置いてある自分のカバンに手を伸ばした。


「……何やってんだろ、わたし……」


わたし、本当にバカだ。


自分の不注意で大野にケガさせて、その上後輩に部室の掃除までさせて。


周りに迷惑ばかりかけて


何ひとつ一人じゃ出来ない。


自分が情けない。