その便せんの端には小さく、三鶴へ、と書いてあった。 私は、知っていた。 それは、ラブレターだと。 半ば無意識に、自動販売機にお金を入れる。 「あ」 10円、足りない。 これじゃあ、買えない。 慌てて私はポケットを捜す。 だが、ない。 10円、足りない。 このままでは、誰かに買われてしまう。 私は―――を取り出した。 こじ開けよう。